【設計・生産管理の現場で何が変わる?】PDM活用による業務改善事例6選

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こうした課題を、設計・生産の現場で抱えていませんか。

  • 図面や部品表の最新版が分からない
  • 設計変更の影響範囲を調べるのに時間がかかる
  • 部品表を生産管理システムへ毎回手入力している

多くの製造業では、設計データや図面、部品表(BOM)をExcelやファイルサーバーで管理しています。しかし、製品点数や設計変更の頻発により、情報が分散し、管理や検索に手間がかかっているケースも少なくありません。
本コラムでは、設計情報を一元管理する PDM(製品情報管理システム) を活用することで、設計業務や生産管理業務の効率化や品質向上を実現した6つの具体的な活用事例を紹介します。
「PDMで何ができるのか」「自社に合う活用方法は何か」を具体的にイメージしたい方は、ぜひ参考にしてください。


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PDM導入の目的と主な活用シーン

BOM(部品表)の管理やワークフロー管理、検索機能など、設計業務や生産管理業務などにおける情報管理を効率化するために、PDMがどのように活用されているのかを紹介します。

PDMを導入する理由

製造業では、CADデータや図面、仕様書といった設計情報をExcelの台帳で一覧化し、ファイルサーバー上で管理しているケースが一般的です。しかし、このような管理方法では、事業の拡大や製品点数の増加に伴い、設計データの管理が複雑化しやすくなります。たとえば、設計変更が重なることで版数管理が煩雑になり、どれが最新版の設計データなのか分かりにくくなるケースも少なくありません。また、過去の設計データを活用して新たな製品設計を行おうとしても、流用可能な部品や図面を探し出すのに時間がかかり、設計業務全体の効率低下につながることもあります。

こうした課題に対して、PDMを導入することで、Excelやファイルサーバーでは対応しきれなかった設計情報の一元管理が可能になります。設計データの追加・更新・修正履歴を体系的に管理できるため、変更内容やその理由を含めた版数管理が行いやすくなり、設計ミスや手戻りの削減にもつながります。さらに、既存製品の設計データを活用する「流用設計」を促進することで、設計期間の短縮や作図工数の削減が期待できます。結果として、設計業務の効率化だけでなく、設計品質の安定・向上にも寄与し、QCD(品質・コスト・納期)の実現を支援します。

現在では、設計業務の標準化や属人化の解消を目的に、PDMを導入する企業も増えており、設計データを適切にデジタル管理することが、競争力強化の重要な要素となっています。

PDMの活用シーン

PDMを導入した企業が、どのようにPDMを活用しているのか、代表的な6つの事例をご紹介します。


  • 例1 ) 台帳管理からPDM管理へ移行
  • 例2 ) 生産管理との情報連携による生産手配業務の効率化
  • 例3 ) 部品不具合発生時の影響範囲を迅速に特定
  • 例4 ) 図面・仕様書と部品表の一元管理
  • 例5 ) 流用設計による設計工削減
  • 例6 ) 設計変更情報のリアルタイム伝達

これらの事例は、設計データ管理の複雑化によって生じていた業務負荷を、PDMによって解消し、業績改善や競争力の強化につなげた成功例となります。

例1 ) 台帳管理からPDM管理へ移行

多くの企業が、Excelの台帳を活用して製品設計情報をストレージ上で管理しています。製品ラインナップの拡大や事業の成長に伴い、この方法では管理が複雑化し、業務効率の低下やトラブルが発生するケースは少なくありません。

A社では、型式や購入価格、図面といった製品データをExcelの台帳に記録し、ファイル名を一覧化してストレージ上で管理していました。しかし、製品ラインナップの増加により、1つの部署で管理していた台帳が3つの部署に分散し、それぞれの部署が台帳を作成・管理するようになりました。その後も顧客対応や製品追加のたびに台帳は増え続けました。その結果、メンテナンス作業に膨大な時間を要することになり、開発業務の効率を著しく低下しました。さらに、型式や部品コードの入力ミスによる手配ミスが発生し、トラブル対応にも追われるようになります。

こうした課題を解決するため、A社はPDMの導入を決断しました。受注から設計、手配、製造といった生産工程全体で必要なファイルやデータを一元管理できる環境を構築。どの部門からでも必要な製品情報にアクセスできるようにしました。また、アクセス権限を部門ごとに設定することで、情報漏洩を防ぎつつ、全社的な業務効率の向上を実現しました。これにより、事業成長に伴う体制変更にも柔軟に対応できる体制を整え、トラブル発生の削減とともに業務全体の改善が達成されました。

従来の台帳による製品データ管理

製品データを部門別に管理しているため、
メンテナンス作業に時間がかかり、手配ミスが発生

製品データの台帳管理からPDM管理へ移行

どの部門からも製品データへアクセスできるようになり、
全社的に業務効率を向上

例2 ) 生産管理との情報連携による生産手配業務の効率化

BOM(部品表)は複雑な構造の製品ほど管理の手間がかかる重要な情報です。特に構造が複雑な製品ほど、BOM管理の負荷は大きくなります。

製造業のB社では、設計部門から提供される部品表の取り扱いが長年の課題でした。従来、生産管理部門では生産指示や手配管理のために、設計部門から渡された紙の部品表や図面上の部品表を生産管理システムへ手入力で入力する必要があり、入力漏れや数量ミスが頻発していました。また、打ち直し作業には専任の人員を多く配置する必要があり、作業者の負担や人件費の増加も課題となっていました。

そこで、B社はPDMの導入し、部品表をデジタルデータとして一元管理。PDM上の設計BOMをもとに、生産管理システムへ情報を自動連携する仕組みを構築しました。その結果、手作業での転記作業を大幅に効率化し、転記ミスの削減にも成功しました。これにより、転記作業を行っていた人員に他の業務を任せることができ、より迅速で正確な生産体制を実現しました。さらに、設計部門でE-BOM(設計部品表)M-BOM(生産部品表)に変換し、生産管理システムと連携させることで、生産手配業務の効率化も達成しました。

設計情報の手入力連携

設計情報を一つひとつ手入力する負荷が大きく、
入力漏れやミスが頻発

設計部品表を生産管理システムへ自動連携

設計部品表を自動で生産管理システムへ連携し、
生産手配業務の効率化を実現

例3 ) 部品不具合発生時の影響範囲を迅速に特定

PDMによって製品情報をデジタルで一元管理することで、部品不具合発生時の影響範囲を効率的に調査できます。

C社では、多品種の製品ラインを扱っており、部品に起因する不具合への対応に課題を抱えていました。従来は紙の部品表を目視で確認し、どの製品に該当部品が使用されているかを調査していましたが、作業に多くの時間と手間がかかっていました。さらに、設計者ごとに異なる記載方法や部品名称の表記ゆれが原因で、調査に時間がかかっていました。その結果、不具合への対応が遅れ、顧客への対応にも悪影響を及ぼすこともありました。

こうした課題を解決するため、C社はPDMの導入を決定。PDMによって部品情報がデジタルで一元管理し、記載誤りや記載漏れも解消しました。不具合が発生した際には、該当部品を使用した製品を即座に検索できるようになり、影響範囲を迅速かつ正確に特定が可能なりました。また、製品の製造プロセスを追跡する「トレーサビリティ」の確保と向上を実現し、不具合への迅速な対応が顧客からの信頼向上にもつながりました。

部品不具合時の影響範囲調査が困難

部品の不具合が発生した際、どの製品に使用されているか、
特定する調査が煩雑

PDMにより特定の部品を使用した製品を検索

PDMで該当製品を即座に検索可能となり、
影響調査の作業を効率化

例4 ) 図面・仕様書と部品表を一元管理

製造現場では、図面や仕様書を紙で保管しているケースが依然として多く見られます。しかし、ドキュメントを一元管理することで検索作業や業務全体の効率化が期待できます。

D社では多くの製品群を持つ製造業で、詳細に作成された部品表を活用していましたが、関連図面や仕様書の管理が分散しており、課題が顕在化していました。部品表をもとに、ファイルサーバー内の電子データや、工場内の各所に保管された紙図面の束から目的の資料を探し出す必要があり、とりわけ図面と仕様書が異なる場所に保管されている場合、関連資料の検索に多大な時間と労力がかかっていました。

これらの課題を解決するため、D社はPDMの導入を選択しました。PDMの利用によって、製品に関連する図面や仕様書を部品表を紐づけて管理することが可能となり、検索効率が大幅に効率化されました。従来の煩雑な作業は大幅に削減され、業務の効率が飛躍的に向上しました。その結果、開発スピードや生産効率も向上し、D社の競争力強化にも大きく寄与しました。

図面と関連資料が個別に管理されている

図面と関連資料が別々に管理されており、
関連資料の活用ができていなかった

図面・仕様書が部品表と一元管理され、資料の検索作業が効率化

図面・仕様書が部品表と一元管理され、
資料の検索作業が効率化し、業務効率が向上

例5 ) 流用設計による設計工数削減

PDMを活用することで、製品の版数管理が簡素化され、過去の製品データや変更履歴を迅速に参照できるため、流用設計による設計効率の向上が期待できます。

E社は複雑な機械製品の設計・製造を手掛ける企業として知られていました。製品には多くの部品が使用されており、過去の製品との違いを特定し流用設計を行うことが課題でした。手作業で製品を比較し差異を見つけ出す作業は、非常に時間と労力を要するものでした。また、どのユニットや部品を再利用すべきか的確に判断することが難しく、流用設計のメリットを十分に享受できていませんでした。

このような課題を解決するため、E社はPDMの導入を決定しました。PDMの活用により、過去の製品情報や変更履歴が一元管理され、製品間の構成の比較や差異の特定が迅速に行えるようになりました。その結果、流用設計において部品やユニットの再利用が効率的に行えるようになり、設計時間の短縮や設計品質の向上に大きく寄与しました。

流用設計における製品構成の比較

製品構成を比較することが難しく、
流用設計で使用する部品やユニットの判断が難しかった

流用設計により設計時間の短縮と設計品質の向上

製品間の差異を簡単に判断できるようになり、
流用設計による設計時間の短縮と設計品質の向上が実現

例6 ) 設計変更情報のリアルタイム伝達

E-BOM(設計部品表)、M-BOM(生産部品表)といった複数のBOMをPDMによって統合管理することにより、設計変更情報をリアルタイムに伝達できます。

F社は、製品開発と生産を担う企業で、BOM(部品表)管理とその周辺業務の煩雑さが課題となっていました。製作・購入する手配品目が多いため、基幹系システムへの登録が複雑であり、製品のバリエーション数も多いことから、変更や追加のたびに膨大な時間を費やしていました。また、図面の配布にも手間とコストがかかるうえ、製造側では図面をもとに加工工程を毎回基幹システムに入力しなければならず、作業現場へのフィードバックに遅延が発生していました。

これらの課題を解決するため、F社は生産管理システムと連携してPDMを導入することを決断しました。E-BOMとM-BOMを統合管理することで、製品の設計から生産に至る情報の一元化が実現しました。加工工程情報の連携もスムーズになり、業務効率が大幅に向上しました。さらに、図面の配布も半自動化され、工程や購入先ごとの配布がスピーディに行われるようになりました。各フェーズの進捗状況や履歴も確認可能となり、製品開発から生産までの一連の業務のスピードアップし、品質向上を実現しました。

設計情報と基幹システムの連携の仕組み

設計情報と基幹システムが連携する仕組みがないため、
設計変更の連携や図面の配布に時間がかかっていた

設計変更情報を部門間でリアルタイムに連携

設計変更情報がリアルタイムに連携できるようになり、
図面の配布が半自動化され、部門間連携もスムーズになった

業務に最適化したPDM導入のポイント

本コラムでは、PDMの導入によって肥大化した設計データの管理業務を効率化し、設計業務の品質向上や生産性改善につなげた活用事例を紹介しました。PDM導入の成否を分けるポイントは、機能の多さではなく、自社の設計プロセスや業務の進め方にどれだけ自然にフィットするかです。既存業務を無理に変えるのではなく、設計から生産までの情報の流れを整理したうえで、自社に合った形で導入を進めることが重要になります。

設計業務の課題解決を支えるBase‑RightとNSWの取り組み

PDM製品情報管理システム「Base-Right」は、高機能・短納期が評価され、輸送用機械器具や生産用機械器具、業務用機械器具など、100社を超える多数の産業分野のメーカ様に幅広く導入されています。柔軟な設定により、お客様の業務プロセスに合わせた最適なシステム構築が可能です。
NSWは設計に関わるデータを管理するエンジニアリングチェーン領域をはじめ、サプライチェーン領域も含めた豊富な導入実績と知見を活かした支援を行っています。自社の設計業務に課題を感じている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


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